目の前の人が命の危険にさらされたとき、どう対処したらいいのだろうか。
傷病者を発見し一次救命処置を行う際、「怖い」、「不安」だと思っている人も多いのでは?
だが、救急車が到着するまでの対応で傷病者の命が助かる可能性がグンと高くなる。
まずは冷静になって処置をスタートし、命のバトンをつなげよう!

一次救命処置(BLS)とは?

心肺停止状態で、生命の危機に陥った人に対して、その場に居合わせた人が救急隊や医師に引き継ぐまでの間に行う処置。
119番通報をしてから救急車が到着するまで、平均で8.6分かかるといわれている。
呼吸停止から2分後の蘇生率は90%だが、5分後には20%。救急車を待っているだけでは遅い。
しかし、心肺蘇生を施した場合、救命の可能性は2倍ほどアップ。
まずは行動しよう。

一次救命処置で行うこと

■心肺蘇生(CPR)

心臓も呼吸も止まっている傷病者に対して行う処置。
胸骨圧迫と人工呼吸を組み合わせて、心臓が止まっている間、心臓や脳に血液を送り続ける。

▼心肺蘇生の手順はこちらから
心肺蘇生方法(日本医師会)

ダイビング事故原因の上位である溺水では、1度息を吹き込むだけでも有効な場合が多い。
海で遊ぶダイバーは人工呼吸の技術習得を。
また、感染予防のためにポケットマスクやフェイスシールドを持っていると安心。

■AED(自動体外式除細動器)

電気ショックによる「除細動」によって、心臓に強い電流を瞬間的に流して規則正しいリズムに戻す医療機器。
誰でも使用することができる。

▼AED(自動体外式除細動器)の使用方法はこちらから
AED使用方法(日本救急医学会)

ダイバーの場合、スーツの胸の部分をハサミ等で切断し、水気を取ってからパッドを貼ろう。
基本的にAEDの中にはさみが入っている。
ウエットスーツがすぐに脱がせられるなら脱がせ、難しい場合は胸骨圧迫を継続することを優先しよう。

■酸素吸入

一次救命処置や減圧障害の応急手当てには酸素吸入が有効。
特に減圧障害の疑いが少しでもある場合は、100%酸素の吸入により吸い込む空気から窒素が取り除かれるため、気泡が縮小し、体の組織内に溶け込んだ窒素の排出が進む。
その後の医療機関での治療効果も高めることができるうえ、症状が消失する可能性も高まる。

緊急時の酸素供給は一般の方でも取り扱いが可能。
しかし、教育と訓練を受講し、正しい知識を身につけたうえで手当にあたることが強く推奨されている。
DAN JAPANのプロバイダーコースのほか、各ダイビング指導団体もトレーニングコースを開催しているので、事前にセミナーやトレーニングを受けよう。

酸素供給法トレーニング(DAN JAPAN)

いざというときのため、事前に講習やトレーニングを受けておこう。
1回受けただけでは忘れてしまうので、2年に1度など定期的に受けることが大切。
また、潜りに行った先ではAEDと酸素ボンベがあるのか、場所はどこなのかを潜る前に確認しよう。