Cカード取得後のレベルは、
「プロと監督無しでダイビングができる」こと

今では、世界中でファンダイビングを楽しんでいるダイバーも、まずは、インストラクターの開催するCカード講習によって、“ダイバー”として認定されることから始まります。

しかし、そんなダイビングの入り口であり、前提となるCカード講習の品質が保たれていないと、さまざまな問題と矛盾が起こります。
残念ながら、その仮定が現実に起こっているという現状認識に立つと、ダイビング産業における現状の問題や課題が見えてきます。

一般的に、ダイバーになるために受講する講習は、“エントリーレベル”のCカード講習と呼ばれています。
いわゆる「ダイバーになる」とか「ダイビングライセンスを取る(正確にはライセンスではありませんが)」際の講習がこれにあたります。

では、エントリーレベルとはどういうレベルなのか。
Cカードを発行する(ダイバー認定を行っている)主要の指導機関が加盟しているCカード協議会では、こう定義されています。

「エントリーレベルとは、プロの監督無しで、バディとダイビングができる最初のレベルです」

エントリーレベルのCカードは、Cカードが発行された時点において、以下の範囲内で安全にダイビング するために必要な知識とスキルを修得した証となります。
注)エントリーレベルとは、プロの監督無しで、バディとダイビングができる最初のレベルです。
・コース受講時に経験した海況より良好なコンディションでのダイビング。
・コース受講時に経験した最大深度の範囲でのダイビング。
・減圧停止を必要としないダイビング
・コースに於いて扱い方を修得した器材を使用したダイビング。
・潜水計画を立て、計画に従ったダイビング。
・バディシステムに則ったダイビング。

Cカード協議会のエントリーレベル一覧より

Cカード取得後、プロ、すなわち、インストラクターやガイドの監督無しで潜るレベルになっているでしょうか?
そもそも、プロのダイバーと潜る以外の想定をしているでしょうか?

Cカード講習が健全でないケースがある可能性を考える

ダイビングメディアに20年近く従事してきて、ダイバー(消費者)からも、インストラクターからもCカードの品質や認定するプロセスとなるCカード講習が健全に運用されていないという声を聞くことは少なくありません。

これこそが最大の問題意識ですが、残念ながら、それを証明する詳細なデータはありません。

そこで、角度の高い統計ではありませんが、海とダイビングの総合サイト「オーシャナ」で、Cカード講習についてアンケートを取った結果を参考までにご紹介します。

Cカード講習で教わるべき項目を示して、自身のCカード講習がどうであったかを聞いたアンケートです。

※Cカード講習の項目例
https://buddydive.jp/about/skill.php
Q. Cカード講習で、教わるべきことをマスターできましたか?

Q.Cカード講習で教わるべき項目を教わりましたか?

Q. 泳力チェックをしましたか?

本アンケートは、回答者の属性がわからず、読み取り方はあくまで推測の域を出ないことが前提です。

まず、率直な感想としては、思った以上にきちんと講習が行われているな、というものでしたが、サイトユーザーの属性が問題意識の高い方、また、そもそもCカード取得後、すぐにドロップアップしてしまった人のことを考慮すると、また違った答えになるかもしれません。

いずれにせよ、以下のような事実が挙げられます。

〇教わるべき項目を、「ほぼ教わった」「全部教わった」が76%。逆にいえば、24%が半分以下しか教わっていない。
〇マスターすべきスキルを、「全部マスターした」、「9割方マスター」が38%。「7~8割方マスター」を合わせると76%。
 逆に言えば、62%が9割未満、24%が7割未満の習得率で認定されている
〇泳力チェックされていない人が半分以上いる

以上のような結果から、Cカードの均質性・品質が保たれていないという問題意識は、それなりに可能性があると考えられます。
まずは、この現状認識立つことが、ダイビング産業、安全、雇用、マーケットなど、すべてを考える上での第一歩であり、課題解決への第一歩となります。